最新作のエイリアン・ロムルスの公開が今月迫る中エイリアン熱高めるべく、久しぶりに原点『エイリアン』(1979年/リドリー・スコット監督)見て、やっぱりとんでもなくおもろいやんけと思ったので、その熱に浮かされたまま書き散らす。何回も見て、ストーリーは知ってるのにちゃんと怖がれる、物語が面白すぎるので、個人的によかった点等交えてしゃべりたい。
発明が天才① もはや神々しいエイリアンのビジュアル
エイリアンはSFホラーといわれるけど、その魅力は単純な言葉では言い表せないと思う。
エイリアンの面白さを語れるポイントはいくつもあるけど、やっぱり”発明”が天才的だということが一つある。うわ、これはすごいじゃんと感じた”発明”について語りたい。
まずやっぱりエイリアンそのもののビジュアル・設定になってしまう。あんなのいたらそりゃ怖いし、人類が遭遇する未知の生物というところで今見ても唯一無二だなと思う。
地球人以外の生命体というといわゆるグレイ型の宇宙人のようなものを想像しがちだけど、本作のエイリアンのビジュアルはそんなものとは似ても似つかない。知性とは縁遠く、狂暴性をそのまま形にしたようなその見た目は無茶苦茶怖いし、アイコニックでシリーズとして長らく続いてる理由の一つだと思う。しかも怖すぎる見た目なのにどこかかっこよさも感じてしまう。
あと個人的に大好きな設定は強酸性の体液が出るところ。あんな見た目で超怖い・どう見ても勝てそうにない、そんなとこへのだめ押しの一手といわんばかりに宇宙船をいとも簡単に溶かしてしまう体液まで出るという。そんなんどうしたらええのってなる。
発明が天才② 動体検知器
エイリアンの恐怖を引き立てるアイテムとして、「動体検知器」の役割は大きい。
ノストラモ号内に逃げたエイリアンを見つけるべく、科学担当のアッシュが即席で作った検知器。
動くものがあると、独特の音でそれを知らせるというアイテムになっていて、これがその機能故に恐怖を引き立てている。
船員がこの検知器を掲げてエイリアンの捜索に出るが、船員も映画を見ている我々も検知器の音でまず異常を認識する。だけどもまだそこにはエイリアンの姿は見えない。これが超怖い。
船内を探していていきなりワっ!!とエイリアンが出てきてもそれはそれで怖いかもしれないが、検知器の音があることでまだ見えないけど何かがいるぞ、この後やばいのがくるぞくるぞのフリがめちゃくちゃ効くので、そのあとの驚きがより大きくなる。
このちゃんとしたフリからの驚かしというのをとことんエイリアンという作品では徹底されていて怖いし、うまいなあと思わされる。
個人的には配管内?で艦長がエイリアンと遭遇するシーンが声出るほど怖くてお気に入り。
仲間のレーダーには、艦長の近くに確実に奴がいるように見える、でも艦長の目にはその姿は写っていない。あれなんだいないじゃん、レーダーが変じゃないのかと一息ついたまさにその瞬間!!
エイリアンが襲ってくる。ここの間が完璧すぎて感動したのでここだけでもいいから本当に見てほしい!!
重厚なストーリー
怪電波をキャッチして、調査に行ったらとんでも凶暴未知の生物と遭遇したという話だけで十分、一つの作品としてストーリーを広げられる内容だよなと思うのに、エイリアンはサブストーリーというか、サブ要素でさえ作りこまれすぎていて、そりゃおもろい映画になるわって感じがする。
物語の冒頭、異星で調査をしていて別の異星人の死体を見つけるシーン。
異星人の死体は、人間よりもはるかに大きい身丈だし、乗っていた船といい地球人を凌ぐ文明のようにも思える。そんな異星人が死んでいて、その死に様が異様なもの。恐怖をあおるのにこんなうまいやり方はないと思う。そんな異星人を死に追いやった怪物がこの後出てくるのかと思うと、この先を見進めるのに覚悟が求められる。レーダーの音にも言えるが、エイリアンの怖さを伝えるためにエイリアンがほらこんな風に怖いでしょ?ではなくてエイリアンによる影響・被害を絶妙に効果的に見せてくるので、よりそのあと出てくるエイリアンが怖くなる。
もうひとつ言いたいのは、アッシュの存在。ノストラモ号にはそれぞれ専門分野がある船員が乗っていたが、アッシュはその中で科学担当。不気味とまではいわないが、なにかいやな感じがするキャラクターとして冒頭から描かれる。その違和感は、物語中盤リプリーに詰め寄られて、その本性を現す。
その正体はなんと、秘密裏にエイリアンを回収して地球に持ち帰れという特命を受けていたアンドロイドだった。
アッシュの正体が判明する段階では、エイリアンによって船員に被害が出ているし、死人が出ている状況になっている。そんなエイリアンへの恐怖ですでに怯えているというのに、船員を脅かす内部犯が出てくるという展開という、嘘だろ、もうやめてくれよってホントに思う。リドリー・スコット監督は絶望に拍車をかけるドSな天才。
他にも船内搭載の人工知能マザーの存在もあったりと、エイリアンという作品に深みを出す脚本・設定が作りこまれていてその世界に引き込まれる。
エイリアン ロムルスが超楽しみ
エイリアンを久々見てその良さを再認識して、エイリアン熱は最高潮になった。
元祖リドリー・スコット監督が認めたというフェデ・アルバデス監督のシリーズ最新作『エイリアン ロムルス』への期待が膨らむ。
時系列的には、『エイリアン』、『エイリアン2』の間の物語ということなので、2も見てから個人的には行きたいなという所存。エイリアンワールドにどっぷりしていきたいと思います。エイリアン最高!