ホラー映画大好きゆめメガネです。私は映画自体好きですが、その中でもホラーというジャンルが飛び切り好きでよく見ています。でも昔からホラー映画が特に好きだったかというとそうではありませんでした。このタイミングから明らかにホラー映画にハマり、好きになっていった瞬間がありました。
それからはホラー映画というジャンルにずっと魅せられています。というわけで今回は私がホラー映画が好きだな、もっとホラーというジャンルの映画をたくさん見たいと思うようになったきっかけを与えてくれた映画を3作品紹介したいと思います。にっちな作品ではないので是非ご自身の好きなホラー映画が入っていないか確かめてみてほしいです!それでは行きましょう!!
REC/レック (2007年)
ホラーは、作品によって細かいジャンルにさらに分かれます。幽霊や悪魔といったオカルト系、死んだはずの人々が襲い来るゾンビ系、人の心理に迫るような怖さがあるサイコ系など多岐にわたりますが、この『REC』という作品はそのジャンルが観ていてつかみきれない、シーンによって異なるジャンルのように見えるといった特徴があり、一つのジャンルに絞らせてくれない不安さ・怖さを感じます。
ホラー映画を観ていてジャンルがわからない、確定しないというのはかなり怖いことなんだと思わされせられます。
作品を観ていてこの映画はオカルト系だから、幽霊によって怪異が起こるのかとか、精神異常者が起こす事件なのかとか、モンスターによっておこるパニックが怖いのかというようにジャンルがわかることで、一段階怖さに落ち着きが出ます。それをさせてくれないのが、この『REC』だと思います。
このジャンルかなと思ってみていたら、全く違うジャンルに見える展開になったり、突然思わぬ恐怖の演出があったりするので、予想できず不意打ちの恐怖をずっと喰らい続ける感じです。
また今では多くの作品でも取り入れられていますが、POV(ポイント・オブ・ビュー)形式という手法でとられており、主観的な視点でとられた作品となっていることも臨場感を湧き立てます。
本作では、TVリポーターの女性とカメラマンの視点が中心に描かれます。
インシディアス (2010年)
続いて紹介するのは、『ソウ』シリーズで有名なジェームズ・ワン監督のホラーシリーズ1作目『インシディアス』。続篇も2025年4月時点で5作まで作成されており、2025年8月には最新作である第6弾の全米公開を控えている超人気ホラーシリーズです。
その『インシディアス』シリーズがここまで人気となったのも、1作目である『インシディアス』の面白さがあってではと思います。
私が魅力を感じる、ホラー映画の特徴は「1. 何度見ても恐怖の演出が極まっている(しっかり怖い)」、「2.恐怖だけではなくドラマがあったり、ストーリーが秀逸で先が気になりまくる」です。
この『インシディアス』はそのツボを最高級に満たしてくれる作品だと思います。
私が思う『インシディアス』の魅力は”悟らせる怖さ”が満載ということです。
悟らせる怖さとはそれ自体はそれほど直接的に怖い描写じゃなくても、よくよく考えたらとんでもなく怖いことがおきてるんじゃ?!みたいな、視聴者巻き込み型の怖さのことを私はそう呼んでいます。
この作品を見ていると恐怖版アハ体験みたいなことがしょっちゅうおきます。
私のお気に入りのシーンはこん睡状態になったダルトンを霊能者イリースが様子を見るシーン、この世ではない世界とつながれる彼女は目をつむって、ダルトンの様子を探ります。
イリースが感じた部屋の天井の隅にいる”何か”をすぐ隣にいる助手が彼女の言葉を頼りにデッサンしていくのですが、彼女の言葉通りに描いた画用紙には恐ろしいものが描かれている、といった具合です。
イリース以外はその場にいる誰にも部屋の天井には何も見えていません。ただ描かれたデッサンには異形のものがいるということがわかります。ここで素晴らしいのは直接天井の隅にいる”何か”は映像としては描写されないことです。見ている視聴者も主人公たちと同じ気持ちで、絵に描かれいる恐ろしい何かがそこにいるの?!と想像を掻き立てられます。
私がインシディアスが大好きな理由のもう一つは、ドラマがあって展開が素晴らしいことです。
ホラー映画を見ているとめちゃくちゃに怖かったけど、正直ストーリーはあんまりだったなとか怖がらせるために設定に少し無理があるなといったことがあったりします。
ただし、このインシディアスは恐怖の演出もさることながら、しっかり面白いというのが魅力です。
物語は基本的にはしごから落ちてこん睡状態となってしまったダルトンの救出劇が軸となり進みます。
霊能者イリースの手をもってしてもなかなかダルトンを救出できず、万事休すかと思ったときに父であるジョシュの伏線が物語終盤とっても上手に効いてきます。伏線とは後から見たら、あのときのあれはそういうことだったのか!みたいなものですが、個人的な印象として『インシディアス』の中で散りばめられる伏線は、序盤・中盤の恐怖の演出があまりにすごいのでそちらに夢中になっている余り、全く最後までそれが伏線だとは思わせないようなものになっています。そして気づいたら見事な伏線回収とともに物語は幕を閉じるといったテンポのよさも引き付けられます。
まさにコワ面白いを体現したそんな作品でないかと思います。
ヘレディタリー/継承 (2018年)
近年、注目されているホラー映画監督としてアリ・アスターという監督がいます。
『ミッド・サマー』や『ボーはおそれている』といった話題作を次々と生み出しています。
そんな監督の名が知れ渡ることになった、初の長編ホラー映画が『ヘレディタリー/継承』です。
まさに最恐の名にふさわしい作品としていろいろなメディアでも紹介されていて、ご存じの方も多いのではないでしょうか。私もこの映画を観てからホラー映画の世界が大きくまた広がったと感じました。
祖母の死をきっかけに次々と一家を考えられないような恐怖が襲うというストーリー自体はよくある設定なのかなと思いますが、『ヘレディタリー/継承』というタイトルにもあるように、知らず知らずのうちに祖母が行っていた儀式に家族が参加させられ、その異界の何かを継承させられているといった一風かわった設定が魅力です。
ただその”継承”が行われているということに母親のアニーが気づきだすのは、物語の中盤から終盤にかけてのことです。それまで原因不明の恐怖が次々とアニーの家族を襲います。
その恐怖のひとつひとつがまた尋常ではないんです。
なんといっても、まずは一気にこの映画を見るには生半可な気持ちで見てはいけないという気持ちにさせられるチャーリーの事故のシーンです。かなりのネタバレを含むのでまだ見たことがなく、新鮮な気持ちで『ヘレディタリー/継承』を見たい方は、ここで読むのをやめてもらえたらと思います。
兄ピーターの同級生のパーティーにいやいやついていく妹のチャーリーですが、様態が急変しパーティーを切り上げて車で急いで帰ろうとします。ピーターは様子のおかしいチャーリーを心配して焦り、かなりのスピードを出して車を走らせます。チャーリーの苦しむ様子やピーターの焦りの表情、ものすごいスピードの車と緊張感はマックスです。何か起こることは間違いないのですが、その起きる出来事が予想だにせずあまりにショッキングなんです。チャーリーは呼吸が苦しくなり、車の窓を開けて外の空気を吸おうと窓から頭を出しますが、その目の前には電柱が現れます。車はものすごいスピードで走っています。はい。。。この先どうなるかは是非皆さんの目で確かめてください。文字にするのも苦しいショックな映像なので、グロテスク・ショッキングな映像が苦手な方はやめた方がいいかもしれないです。
ヘレディタリーの恐怖の象徴というべきワンシーンを紹介しましたが、まさかそんなひどいこと起きないよね、そこまでしたらさすがにもう怖いとかじゃないよみたいなこちらの声を全て裏切ってくるそんな作品です。先のチャーリーの事故のシーンから、恐怖のボルテージが一気に上がり、どんどん家族も見ている我々も追い詰められます。精神的に参っているときは視聴を控えたほうがいいそんな至極のホラー映画だと思います。
チャーリーの事故シーン以外にも『ヘレディタリー/継承』には象徴的な恐怖のシーンが沢山あります。
長いホラー映画の歴史で、沢山の恐怖の演出がされてきましたが、そんな見せ方があるのかと驚きがつきないです。今は私もこんな冷静に書いていますが、実際は怖すぎてそんな風に感心している暇なんてなかったです。一人で見てもいいですが、絶対後悔するのでだれか一緒に犠牲になってくれる友達を誘ってみることを強くお勧めします。。。